佐野元春「君を探している」①(編集中)
「君を探している」という歌も心に残っている歌です。 私が中学生のころ、2枚目に買った佐野元春のアルバムは、「ハートランド」というライブアルバムでした。このアルバムを通して、元春の80年代の名曲の多くにふれる機会をもちました。 「君を探している」は、このアルバムの中で3番目の曲で、「ワイルドハーツ」の歌い終わりから、急に元春がカウントをとって始まります。このつながりは印象的でした。時代としては、「ワイルドハーツ」のほうが数年後にできた曲なのですが、そこから遡るかたちになりますが、そうしたタイムスリップよりも、私が感じたのは、これら2曲が描き出す風景や心象の「つながり」のようなものでした。 この2曲を原曲で聞くと、確かにかなりのタイムラグを感じます。「ワイルドハーツ」が様々な意味で、よりロックミュージシャンとして経験と見聞を積んだ洗練された音楽に聞こえます。しかし、通底する精神は同じであるとともに、ライブにおいては、いずれもバンドである「ハートランド」のライブサウンドに変化しています。ですので、特に「君を探している」の古めかしさは全く感じさせないのです。これは、「ハートランド化」と呼びたいような現象です。 さて、「君を探している」は実に不思議な曲、元春でなければ表現できないであろう、言葉とメロディによって編まれたナンバーです。聴く人によっては、「なんだこれは」と無茶苦茶な曲に聞こえるかもしれません。 (以下、書きかけ)